「経験の理解」について思ったことです。
がんサバイバーの方やそうでない方にも、伝えたいことの1つです。
共感
自分が辛かったことを他の人に話した時、「分かるよ!辛いよね!」と共感されたことはありませんか。
逆に、他の人の話に「分かる!」「そういう時って辛いよね~」と共感したことはありませんか。
私はコミュニケーションにおいて共感はとっても大切だと思っています。
でも、共感は人を傷つけることもあるんじゃないかな、と思っています。
経験したことを100%理解できるのは、当事者である自分だけだからです。
例えば、あなたが今までで一番辛かったことを思い浮かべてみてください。
それに対して、私がこうと言ったとします。
「あ〜私も分かる!ほんと辛いよね〜」
どう思いますか?
共感してくれてありがとう!と思う場合もあるかもしれませんが、
そんなに簡単に共感しないで、聞いてくれるだけでいいのに!と怒りが生まれる場合もあると思います。
私は、人に共感することによって、その人を不快にさせてしまうこともあるのかなと考えています。
私が共感に違和感を持った最初のきっかけを、ただの愚痴ですが少しお話させてください。
治療中に病院でテレビ番組を見ていた時、スポーツ選手がある病気の治療をしており、病気に立ち向かって前向きに治療やリハビリを行う姿が放送されていました。
あるコメンテーターの方が、
病気でも明るく強く頑張っているなんて、凄いですよね!
やはり病気と闘っている方々は皆さん強いですね!尊敬します!
何気ないコメントですが、治療していた当時の私にとっては辛い言葉でした。
病人はみんな明るく強くなきゃいけないの…?
病人がみんな強いわけないじゃん、スポーツ選手みたいに強く闘うことなんてできない…
今振り返ると、当時は過敏に考えすぎだったと反省しています。
当時はテレビ番組での視聴者全体へのコメントだと分かっていても、このように否定的に捉えてしまっていました。
100%理解できるのは自分だけ
私は治療中、理解者がほしいと思っていましたが、同時に理解してほしくないとも思っていました。
この気持ちを完全に理解することができるのは自分だけだと気づいたからです。
私もあなたの経験を100%理解することはできません。
あなたしか経験していない特別な経験だからです。
私は、どのような経験も唯一無二だと思っています。
例えば私と同じがんの罹患経験だとしても、背景・感じ方・辛さはそれぞれ違い、全く同じ経験は他にありません。
つまり、自分が経験したことを、他人が全て理解することはできません。
あなたが経験したことを全て理解して共感できて、完全な味方になれるのは、あなた自身だけだと思っています。
- 自分の経験は自分だけのもの、他人が全て理解することはできない
- 全て理解してくれる一番の味方は、自分
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